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拾い集めた言葉たち

 

初夏の夜には、「お前だろ」という声が聞こえる。

振り返る。

あの人がいる。

振り返る。

あなたがいる。

振り返る。

もっと一緒にいたかったなあ、

と。

呟いて

一人、女死ぬ。

2016.4.25

 

 

海に骨は残るかい?

海に骨は残らないよ。

 

海に骨は残るかい?

海に骨は残らないよ。

2016.5.8

 

言葉は、海。

2016.5.10


 

翡翠の花は、天高く夜空の下で星と煌めく。

2016.6.3


 

お祭り騒ぎの夜が、 いつまでも終わらないで欲しい、と空を仰ぐ。

祭り囃子が天高く昇っていく。

夜のさざ波が、いつまでもいつまでも尾を引いて、耳に残った。

2017.12.10


 

乾いた木琴の音が、天高く冬空を駆け上がっていく。

2017.12.10


 

どうか、どうか、地獄の地獄の奥底の青い海に落ちて欲しい。

2017.5.7

 

 

良心的な羊ほど悪魔的なものはない。

2017.6.19


 

懐古主義者は死の淵に立つ

2017.8.13

 

 

ドアを開けたら海だった。

どうして私が?と思ったが、そこに広がっていたのは海だった。

かもめが遠くで泣いていた。

一人、海を眺めていた。

 

目が覚めたら海だった。

青が目の前に広がっていた。

飛沫で私のスリッパが少し濡れた。部屋に水が入って来た。

 

瞳を開けたら、海だった。

2017.6.21


 

影が猫になる。

夜の雫を喰らうのだ。

夜の雫を、ひとなめ。

2017.8.14

 

 

カンテラを持って黒の雲海を渡る者がいる。

2017.8.15

 

 

群青色のこころが、空のふもとから落ちてくる。

2017.8.19

 

 

髪伸ばしてるけど、願掛けか何かしてるの?

ううん。

ただ、あの人に呼ばれて、一番最初に振り返るのが私の髪だったらいいな、と思って。

2017.8.29


 

あるはずもない幸せに向かって、泣きながら駆けて行く夜でした。

2017.10.5


 

そういえば、私には形があったと思う。

赤くて長い髪があったと思う。

髪には黒いリボンをつけて。

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川の下に鍵を落としてしまった。

川の底ではなくて?

いや、川なんだ。

川下に流されてしまったということかしら。

そのうちわかるよ。僕の落とした鍵は川底の奥深く、底の底の底。

僕の記憶が落ちている。そして、その鍵には黒いリボンが巻き付けてある。

2017. 5.2

 

 

光の粒が、夜の奥に押し寄せていくのを眺めていた。

2018.1.24


 

「私、生まれた時からずっと生きてる感覚がないの。」

そう言いきって笑う彼女を、私は信じられなかった。

 

あんなに演劇だって歌だって勉強だって一生懸命だった彼女が、

そんなことを言うなんて、つゆほども思わなかった。

2018.4.27


 

煽りて常道 巡ってたんせ

2018.3.14

 

星に願いを 地球に呪いを

2018.3.21


 

止まらない残響

もう一度、私を舞台へ連れ出して

2018.2.25


 

その貝殻には、緑色の夢が入っているよ。

2018.2.26


 

浮遊感、のち反転。青いひまわり畑に落っこちた。

2018.8.22


 

藤の花が最期に見たいと言って死んでいったあなたが、私は一等好きだった。

2018.4.22


 

「ごめんね、ここが地獄なの。」 彼女はそう、呟いた。

2016.11.13

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